大学入試広報におけるweb広告配信で失敗しないためのコツ

各大学では志願者を確保するために、さまざまな広報活動を行っています。その中でweb広告配信を行っている大学もあるでしょう。 しかし、web広告配信を始めてみたものの、失敗してしまうケースもあります。 ここでは大学広報においてweb広告配信で失敗する理由や、その解決策について解説していきます。


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web広告配信の課題|失敗するのはなぜ?

web広告配信を始めてみてうまくいかなかったら、その理由を分析する必要があります。振り返りで課題が見えてくるでしょう。主に次のような理由で失敗しているケースが多いです。

ターゲティング設定が難しい

web広告を配信する際には、ターゲットの年齢を設定することができます。16~18歳くらいの年齢を設定すれば、大学受験を控えている高校生にアピールできそうだと思えるでしょう。しかし、web広告で高校生をターゲットにするのは難しいです。

まず、Googleの広告では、18歳以下の年齢をターゲットに設定することができません。ターゲットにできる年代でもっとも若いのが18~24歳です。そのため、広告の無駄打ちになっている可能性があります。

また、FacebookやInstagramでは13~65歳まで指定可能です。LINEやTwitterではざっくりとした年代の指定ができます。

対象者と反応者が適切ではない

web広告の配信対象者の階層は、非出願層と出願可能層、出願層の3つに分かれます。

非出願層は、すでに大学生になっている人や社会人など、大学受験とは関係ない人です。高校生でも大学進学を希望していない人は非出願層に含まれます。この層の人たちには、広告を配信しても志願者確保にはつながりません。

出願可能層は大学進学に関心がある人たちです。自分たちの大学の志願者になる可能性があります。
出願層は、すでに自分たちの大学と他大学を比較検討している人たちです。この層に広告を配信すれば、志願者確保が見込めるでしょう。

しかし、web広告は人数の多い非出願層に多く配信されて しまい、人数の少ない出願層にはあまり配信されません。web広告では狭い範囲の人にアピールしようとすると、対象者と反応者をマッチさせることが難しいのです。

広告の使いまわしを行っている

メディアによって特性が異なるため、複数のメディアを利用する際には、メディアごとに広告を用意する必要があります。同じ広告を使いまわしても、上手くいかないケースが多いです。

例えば、You Tubeで動画配信を行い、一定の効果を得られたとしても、同じ動画をTwitterで配信しても同じような効果は期待できません。

分析を行っていない

web広告を配信したら、表示回数やクリック回数などの分析を行なわなければなりません。どの時間帯にクリックが多いのか、デバイスやOSなどによる違いなども分析が必要です。
分析を行うことで、クリック数が増えないときの原因も見えてくるでしょう。

分析をせず広告を配信した後にただ放置しておいたのでは、改善策を模索することができません。クリック数の増減に、ただ一喜一憂するだけになってしまいます。

ネガティブな印象を与えてしまうことも

web広告を配信する際には、ターゲットにとって有益な情報を提供することが大事です。ターゲットにとって見当違いな内容になってしまわないように注意しましょう。人は見当違いな広告を見せられるとストレスに感じてしまいます。その影響でマイナスな印象につながり、逆効果になる可能性もあるでしょう。

動画広告の場合には印象が強く残りやすい反面で、こうしたネガティブな効果も強く出る傾向があるため注意が必要です。
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web広告配信で課題を抱えたまま続けていくとどうなる?

前章で紹介したような課題を抱えたままweb広告配信を続けている大学も少なくありません。広告の数が足りないのではと、増やそうとする大学もあるでしょう。

しかし、広告を増やしたとしても、それに比例して志願者を確保できるわけではありません。広告の数とは関係なく、受験生の数は一定です。受験生の数に対して、広告だけが増えることになります。

その結果、広告が過剰になり、無駄打ちになる可能性が高いでしょう。広告費も無駄になってしまいます。

web広告配信があまり志願者確保につながっていないようであれば、抱えている課題の解決を図ることが重要です。
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大学入試広報のweb広告配信で失敗しないための解決策

web広告配信が上手くいっていないときの解決策について見ていきましょう。

目標を決める

web広告を配信する際には、あらかじめ目標やゴールを設定しておくことが大切です。「学生募集」なら、大学を認知してもらい、志願者をできるだけ多く確保するのが目標でしょう。あたり前のことであるため、改めて考えてみることはないかもしれません。

しかし目標といっても、最終的なゴールだけを目指して進めてしまうと、そのゴールに達することができるかどうかが、結果がでるギリギリにしか見えてきません。そのため、焦って最終ゴールとする志願者数を目指すのではなく、まずは途中経過指標を設定し、そこを目指すようにしましょう。

途中経過指標を決めるために、Google Analytics等を使って、誘導している人がどういった属性なのか、対象エリアはどうなっているのか、現在の直帰率は高く無いか(90%以上など)を確認してみてください。

Google Analytics等では問題が無いようであれば、web広告の配信指標であるクリック率やクリック単価を確認します。

これらの数値的な情報をもとに、いつ時点で何名の志願者数を確保していれば、最終ゴールとする目標に達することができるかを決めましょう。

そうすれば、途中経過指標の達成状況により、この調子でいけば最終的な目標も達成できる可能性があるのかどうか判断できます。

逆に途中経過指標に遠く及ばないときには、施策の見直しが必要でしょう。早い段階で分かることで、広告費の無駄も減らせます。

ターゲットを絞り込む

大学入試広報なら、高校生全般をターゲットにしたいでしょう。しかし、高校生全般だとターゲットがやや広すぎます。見当違いの広告によりネガティブな印象を与えてしまうなどの弊害も出てくるでしょう。そのため、もう少し具体的な学生像を考えて絞り込む必要があります。

たとえば、隣県に住んでいる高校生や、〇〇学部に興味を持っている高校生という具合です。将来就きたい職業などで絞込んでも良いでしょう。

ターゲットを明確にすることで、そのターゲットにより合う広告を配信することができます。そうすれば、ネガティブな印象を与えてしまうことはほぼ避けられるでしょう。その上、少ない広告費でも大きな効果が期待できます。

「量と質」両方の効果を確保する

「量」というのは広告出稿量とwebサイト誘導数のことを指します。web上で目にする機会が多く、自分たちの大学へ誘導される数も多いのが望ましいです。「量」が確保できている状態なら、ターゲットに該当する高校生を逃してしまうことはないでしょう。

「質」は、配信年齢・配信地域がターゲットとして設定したものと合致していることを指します。「質」が確保されていれば、広告配信を効率化できるでしょう。

さらに、広告反応者の「質」も改善するのが望ましいです。そうすれば、関係のない非出願者層を省いて、関心のある出願可能層と出願層のみにアピールできます。

ここでよく陥りやすいポイントとして、1番危険なのは「量」のみをひたすらに確保することに偏ってしまうことです。これでは、「量」に対して「質」が伴わず、望んでいた結果を得られません。

そのため、できるだけ失敗を避けたい、そもそも最適な広告配信が分からない、または具体的にどのようにすれば良いのか分からないこともあるでしょう。もし、自分たちの大学でweb広告配信を行うのが難しければ、スタディプラスへお問い合わせください。
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まとめ

大学入試広報のweb広告配信では、ターゲットとなる高校生に上手くアピールできていないことで失敗するケースが多いです。ターゲティングがうまくいっておらず、興味のない人にばかり広告が配信されていることがよくあります。

闇雲に広告を増やしても、志願者の確保につながらないため、ターゲットを絞り込むことが重要です。その上で、目標を定めて「量」と「質」の両方を確保するようにしましょう。