目次
スタディプラス デジタルマーケティング推進担当です。
新型感染症の影響で不透明感が残っている状況で、まだ広報活動にも影響がでているところがありますが、直近ではオープンキャンパスのリアル開催、2021年度版の入試要項の発表、夏のイベント内容の告知などもはじまっていることかと思います。しかし、これらの内容は、しっかりと学生に届いているでしょうか?
LINE活用のお問い合わせやご相談が非常に増えています。
これまでもご相談はありましたが、2020年5月以降、特に多くなっています。やはり、上記の様な不安やこれまでの改善・今後の新施策にLINE活用は非常に注目度の高いトピックだと思います。
大学入試広報にLINEを使用するメリット
LINEを日頃から連絡ツールとして使用している方は多いのではないでしょうか。まず、改めてLINEを活用するメリットを紐解いていきましょう。
ユーザーが多いため興味を持つきっかけになりやすい
いまや高校生の約8割がスマートフォンを持ち、そのうちの約7割がLINEを使っているとのデータも出ています。
もはや社会インフラとなっておりLINEの利用者が多いということは、志願者にとってLINEから進路の情報を得る機会も多いということ。LINEを使って大学の情報発信をすれば、見てもらえる母数が多くなります。
さらに印刷物を用いた資料請求とは異なり、スマホでの友だち追加だけで簡単に情報を得られるという点も、学生にとってはメリットのひとつといえます。
興味を持っている学生に情報が早く確実に届く
LINEはSNSの一種と思っておられる方も多いと思いますが、私はあえてSNSの枠からは外した方が良いと感じています。その理由は、10代のみなさんの中での”SNSとの切り分け”です。単なるSNSではなくもう一つ上のレベル、家族や友だちとの連絡手段、部活や友だちとのグループ連絡網、SNSとは切り分けた情報取得手段、もはや「コミュニケーション基盤」となっているのではないでしょうか?
特にLINEは、友だち登録をしてくれた人たちに個別メッセージという形で情報を届けることが可能です。発信をするたびに通知も届くため、見てもらえる確率が格段に上がります。
資料請求の場合、印刷費や郵送費などで多大な費用や時間がかかるでしょう。LINEでは指先ひとつで、瞬時に情報を届けられるという手軽さがあります。
情報発信だけではないもう1つのメリット
LINEは、情報を発信し続ける一方通行のツールではありません。こうお伝えすると、「そんなことはわかっている、双方向でしょ」と思われるかもしれませんが、会話をLINEでやり取りする双方向性のことではありません。
ここが非常に重要なのですが、LINEには自由な単語や文章を打ち込んで、相手に送信する以外に特定のボタンや画像を選択させたり、予め設定されたキーワードを送信させることができます。
当たり前ですが、このLINE上での行為は志願者が自ら能動的に行っている作業です。考えた答えや思っていることが反映された貴重なデータということです。この内容をすべて取得し分析すれば、友だちになっていただいたみなさんの興味関心や希望要望を理解することができます。
もうひとつのメリットは、「志願者の情報取得ができる」ということです。
さらに、付け加えるなら、情報取得に重きをおくべきです!
LINE公式アカウントを“もっと”活用してみよう
LINE公式アカウントとは、さまざまなお店や企業などが持つアカウントのこと。興味のあるアカウントに友だち登録をすると、最新情報が得られるという仕組みになっています。
それでは具体的に、LINE公式アカウントを使うとどんなことができるのか解説していきます。
LINE公式アカウントでできること
LINE公式アカウントを作成すると、【管理画面(LINE OFFICIAL ACCOUNT MANAGER)】から各種操作ができるようになります。ここではアカウントの設定や、レポートをチェックすることができ、公式アカウントを日々運用することが可能です。
まず、【メッセージ配信】では友だちに一斉に情報を発信し、ウェブサイトや入力フォームに誘導することが可能です。そのメッセージ配信と同時に【タイムライン】を使った投稿も行えます。
いいね機能やコメント機能もある上に、タイムラインページは友だち以外でも見ることが可能なので、ある程度の拡散を期待することもできるといえるでしょう。
そのほか【PRページ】という機能では、より詳しく魅力的に大学の情報を見せるページや、クーポン画面を簡単に作成することが可能です。たとえば「オープンキャンパスで特典をもらえるクーポンを配信する」といった使い方もできます。
トーク画面には【リッチメニュー】と呼ばれる固定メニューを設置でき、表示されたボタンから必要な情報を次々に呼び出すことが可能です。似たような機能で【リッチメッセージ】と呼ばれるメッセージ画面にでる複数ボタン、画面上のボタンを横にスクロール(スワイプ)させることができる【カルーセル】とよばれるものなど表現方法は複数あります。
また、毎日の友だち登録数や、実際にどれだけの友だちにメッセージが到達したかやタイムライン投稿を閲覧したかといった情報は【レポート機能】から確認できます。日々成果を確認できるのも、使いやすいポイントといえるのではないでしょうか。
大学入試広報でLINEを効果的に活用するためのポイント
ここまでの内容から、大学としてLINE公式アカウントを持つさまざまなメリットが見えてきたのではないでしょうか。それでは最後に、大学入試広報でLINEをより効果的に活用する際のポイントをまとめていきます。
まず最初にやったほうが良いこと
みなさんは、大学公式アカウントの友だちの“内訳”をご存知でしょうか?
高校生・在校生・保護者の比率、興味関心の内容と比率など、実情はほとんどの方が把握されていない状況になっています。これは、LINEの仕様によるものです。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、LINEでは「LINE ID」と「電話番号」以外データは保持されておらず、どんな人達が友だちなのかはわからない仕組みになっているからです。
まず最初にするのは、この“内訳の解明”です。
これをわからずに、ブロック率が高い・内容をどんなものにするなどと議論をしても改善できる範囲は限られています。
LINE公式アカウントに+αの機能が必要
LINEが提供している“純正の機能”はできることが限られています。最も致命的なのは先程もお話したとおりLINE上の友だちがどこの誰かがわからないことです。大学入試広報で活用する場合、個人情報や興味関心情報の取得は必須に近いと思いますが、LINE内で完結するにはLINE IDと取得した情報の紐づけをしなければなりません。
それを解決するためには、専用のツールを導入することで、大学のLINE公式アカウントをバージョンアップ(機能追加)する必要があります。
いくつかの専用ツールの中の機能にはアンケート機能とその回答をLINE IDと紐付ける機能が備わっているものがあります。それを活用すれば、友だちの興味・関心に合わせてグループ分けをし、より親和性が高いメッセージを分割して配信することができるようになります。
例えば、A学部に興味があるということがわかれば、A学部のオープンキャンパス学部プログラム内容を送付できますし、将来就きたい仕事がきまっているがどの学部が良いかわからないということであれば、進学相談会の案内を送付したほうがよいでしょう。過去オープンキャンパス参加者には専用のアンケートを設置すれば、今回のオープンキャンパスへの感想や要望を集められると同時に、次回の開催時にはその人にマッチしたプログラム内容をLINEで送付することができ参加率アップや今後の行動率アップに繋がる可能性が非常に高くなります。
そのほか、オープンキャンパスや相談会専用のチャットボットを設定することもできます。分岐型の設問を用意し、回答結果によって最適なリンク先を案内するなど、学生がよりスムーズに情報を得られる環境を整えることが可能になります。
学生の志望意欲に合わせた情報発信をする
資料請求をした志願者の中には「絶対にその大学を受験する」という学生もいれば、「なんとなく請求した」という学生もいることでしょう。
前者は大学からの積極的な情報発信を求める可能性が高いですが、後者はそこまで興味がないかもしれません。
このように志願者によって意欲は異なります。より効果的に情報を届け反応を高めるためには、志望意欲に応じた適切な情報を届けることが求められます。
前述した興味関心に合わせたグループ配信のメッセージ反応率やチャットボットの回答内容を分析することで志望意欲を判定し、送付する内容を常に改善していくことがとても重要です。
LINE、SNS、メールを併用する
LINEにおける情報発信は有効なものとなりつつあります。しかし、LINEによる情報発信が効果的だからといって、すべてをLINEのみに頼るとどうなるでしょうか。LINEを大学など進路情報の取得には使ってない人、LINEそのものを使用していない人には情報を届ける術がなくなってしまいます。
よって、SNSやメール等の手段は残しつつ、LINEによる情報発信を拡大していく、という方法を取ることをおすすめします。
大学入試広報でのLINE活用のメリットとポイントを解説!スタディプラスからの5つの提言
1:LINEのメリットは「情報取得」、そこに注力する
2:LINE純正機能のできるできないを把握し、できない部分は機能追加する
3:まず最初にすることは、友だち属性の内訳を把握
4:興味関心にあわせた情報発信と継続した情報取得
5:LINE内での反応を分析しよりレベルの高い配信改善を行う
多くの大学が、LINEを用い広報活動に役立てている昨今。ただ、まだ十分に活用し効果を発揮できているところはまだ少ないかもしれません。
時代の流れや環境、まさにこれからがLINE活用の本番、そんな雰囲気もでてきています。正しい理解と使い方をすれば効果も感じやすいものがLINEだと私は考えています。このタイミングでこれからスタートされる、もしくは現状の運用を見直す検討してみてはいかがでしょうか。
上手く活用することができれば、大学の魅力をより分かりやすく、効率的に志願者に伝えることができ新たな効果が得られるかもしれません。