大学の経営層がデジタル化に消極的なのはなぜ?デジタル活用による入試広報の推進を説得するには

入試広報の効率化を図るために、デジタルの活用は欠かせません。しかし、大学の経営層がデジタルの活用に対して消極的なイメージをもっている場合、入試広報をデジタル化させることは難しいでしょう。 この記事では、入試広報のデジタル化を推進するために、経営層を納得させるコツをご紹介します。 これまでの入試広報のあり方を変えたい広報担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。


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なぜ大学の経営層は入試広報のデジタル化に消極的になってしまうのか?

現在、様々な大学で入試広報のデジタル化が進められていますが、一部の経営層は入試広報のデジタル化に良い印象をもっていません。

なぜ、経営層は入試広報のデジタル化に消極的になってしまうのでしょうか。

デジタル化のことをよく理解できていない

入試広報のデジタル化に消極的な理由は、デジタル化のことをよく理解できていないからです。

普段の生活の中でデジタルに触れる機会がほとんどないため、デジタル活用によってどれだけ業務が効率化できるのかを実感できていません。

また、効果が出るまで時間と手間がかかることを懸念している経営層は、インパクトのある新聞広告やDM(ダイレクトメール)を好む傾向があります。

現状のままで運用できていると思っている

デジタル化への移行に消極的なもうひとつの理由は、従来の入試広報で上手くいっていると感じていることが考えられます。

実務担当者でないからこそ、結果や数字だけをみて判断してしまいやすく、将来的な見通しが間違っている場合もあるでしょう。

また、これまでの入試広報のやり方を変えるのに不安を覚える人もいます。デジタル化に悪いイメージを持っているわけではなく、新しいやり方を取り入れて失敗したくないと考えるタイプです。

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経営層に大学入試広報のデジタル化に納得してもらうためには

経営層がデジタル化に対して消極的な理由がわかっても、面と向かって意見を述べるだけでは反発をかってしまうだけです。

経営層にデジタル化に対する理解を深めてもらうには時間がかかりますので、まずは実行したい施策を許可してもらえるように戦略を立てましょう。

大学入試広報における課題を示す

新しい施策を許可してもらうために、これまでの大学入試における課題を示してください。

たとえば、効果が出ていない施策をいくつかピックアップして、その施策にどれだけコストがかかっているかを具体的に示すといいでしょう。

そして、効果が出ていない施策に対するコストを新しい施策に使わせてほしいと、予算のシフトと施策転換を提案してみてください。

課題の提示と解決策を提案することで、新しい施策が受け入れられやすくなるでしょう。

調査分析サービスでデジタルの有効性を訴える

デジタル化に対してあまり理解できていない経営層には、調査分析サービスを利用してデジタルの有効性を訴える方法もあります。

たとえば、過去の資料請求者や出願者の中で、大学に入学しなかった人に向けて、オンラインでインタビューやアンケートをとるという方法があります。大学を選ばなかった原因や入試広報に対して物足りなかった点など、率直な意見をもらいましょう。

その調査結果に対して、オンラインの有効性を印象付けることができれば、デジタル化に対して前向きに考えてもらえるようになるかもしれません。

ここで重要なポイントは、学生の意見であるということです。大学におけるお客様である学生の意見を無視することは、経営層として好ましい姿ではありません。

多少時間はかかるかもしれませんが、学生のニーズとしてのこのような意見があるという攻め方もぜひ使ってみてください。

また、在学している学生の視点も取り入れると、より訴求性のある提案になるでしょう。

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入試広報のデジタル推進にはメリットをいかに伝えるかがポイント

さらに入試広報のデジタル化を推進させるためには、デジタル化のメリットをいかに伝えるかがポイントになってきます。

経営層にデジタル化のメリットを効果的に伝えるコツをご紹介しましょう。

新規志願者の発見と育成に役立つことをアピール

入試広報担当者の大きな役割は、新規志願者を発見し、その学生の志願意欲を高めることです。

しかし、現状は高校への訪問やリアルでの説明会で新規志願者を見つけなければならず、非常にアナログで効率の悪い環境といえます。

また、学生の志望意欲を高めたいと考えても、過去に資料請求した人やイベントに参加した人の再接触を待っている状況で、こちらからアプローチをかけることができません。

さらに、アナログな環境では、データを蓄積してもすぐに取り出すことができません。過去に興味を持ってくれた学生と再接触できても気づかないケースが多く、せっかくの機会を逃している可能性があるのです。

デジタル化を推進する際は、この新規志願者の発見と育成に役立つことをアピールしてください。入試広報にデジタルを活用することで、これまでアプローチできなかった学生層にもリーチをかけることができます。

そして、学生のほんのわずかな興味・関心をキャッチできるため、段階的に学生の志願意欲を高めることができるのです。

過去のデータから必要な情報をすぐに取り出せるので、再接触してくれた学生ともスムーズにやり取りができるでしょう。

少ない労力で大きな成果が期待できることを伝えることが大切です。これまでのやり方の問題点とデジタル化のメリットをわかりやすく伝えていきましょう。

また、新規志願者の発見と育成は片方だけ力を入れても効果がありません。両輪で進めることが重要であることも理解してもらいましょう。

シンプルでわかりやすく、デジタルの有用性を伝えることがコツ

デジタル化に関してあまり詳しくない経営層にデジタル化の有効性を伝える際は、以下の点に注意して話をしてみてください。

・専門用語は極力使わない
・具体的な数字を提示する
・機械や仕組みの話ばかりしない

自分の中でデジタル化に関する知識が増えてくると、気がついていなくても専門用語を使っている場合があります。その分野に詳しくない人に専門用語で話しても、まったく理解してもらえないばかりか、拒否反応を示される場合もあるでしょう。

相手に話を聞いてもらう際は、誰に話しても理解してもらえる言葉を使って話を進めていくことが重要です。

また、話をする際は、具体的な数字を掲示することが有効です。抽象的な話ばかりしていると、相手に伝えたいことが十分に伝えられません。

具体的な数字や事例を出しながら話をすれば、言いたいことが伝わりやすくなり、建設的な話し合いができるでしょう。

そして、最も気をつけなければならないことは、機械や仕組みの話ばかりしないことです。デジタル化に詳しくない人に機械の話をしても、完全に理解してもらうことは困難です。

それよりも、デジタル化を推進することで得られるメリットやベネフィット(利益)を伝えましょう。少しずつ理解が進む中で向こうから質問されたときに答えてあげれば、段階的にではありますが、デジタル化について前向きな姿勢を見せてくれるはずです。

経営層と交渉する際は、正論をぶつけるだけでは勝てません。具体的な数字を用意して、以下の論法で交渉しましょう。

過去→現状(課題)→未来(解決策)

これまでの成果、現在の課題、そして解決策をセットにして話を進めていけば、頭ごなしに否定されることもなくなるでしょう。

大事なのは、経営層の意見を否定しないことです。自分の意見を否定されて面白いと感じる人はいません。相手の考えにも理由があることを理解して、その上で現状と解決策を提示しましょう。

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まとめ

入試広報を効率化させ、新規志願者を獲得していくためには、デジタルの活用は欠かすことができません。

経営層にデジタル活用の必要性を理解してもらうためには、現状の課題を伝え、その課題を解決させるためにデジタルの活用が有効であることを伝えましょう。